Laravelでの開発において、セッション管理の仕組みや、データベース操作における「Eloquent(ORM)」と「クエリビルダ」の使い分けは非常に重要です。実務レベルで押さえておくべきポイントを整理しました。
1. Laravelのセッション管理
Laravelは、設定一つで保存先を切り替えられる柔軟な設計になっています。
主要なドライバー
- file: デフォルト。小規模開発向け。
- database: 運用管理がしやすい。
- Redis / Memcached: 高速。大規模・マルチサーバー構成に最適。
実務でのポイント
実務では、パフォーマンス向上のために Memcached などのキャッシュシステムを採用することが多いです。基本は Session ファサードや session() ヘルパーで操作しますが、要件に応じて カスタムSession ID を生成するなどの拡張も可能です。
2. Eloquent(ORM)とクエリビルダの違い
どちらもDB操作のための道具ですが、特性が異なります。
| 特徴 | Eloquent (ORM) | クエリビルダ |
| 記述 | User::where(...)(モデル経由) | DB::table('users')->... |
| 戻り値 | Modelインスタンス(賢い) | stdClass(ただのデータ) |
| メモリ消費 | インスタンス化するため多い | シンプルなデータのみで少ない |
| 得意分野 | 複雑なリレーション、個別の保存・更新 | 大量データの参照、複雑なJoin、高速化 |
保存・更新メソッドの整理
save(): Eloquent専用。新規作成か更新かをモデルが自動判断。update(): 両方で使用可能。指定条件に合うデータを直接上書き。insert(): 両方で使用可能。**バルクインサート(一括挿入)**に使用。- 注意:Eloquentの
insert()はタイムスタンプ(created_at等)を自動補完しません。
- 注意:Eloquentの
3. データ取得とメモリ・DB負荷の考え方
なぜ大規模データでクエリビルダを使うのか?
Eloquentで1万件取得すると、1万個の「多機能なモデルオブジェクト」をメモリ上に生成するため、メモリ不足(Memory Limit)に陥りやすくなります。参照専用のバッチ処理などでは、クエリビルダで取得して Collection で加工するのが効率的です。
Join(クエリビルダ) vs with(Eloquent)
DBへの負荷のかかり方が根本的に違います。
Join: SQLの結合機能。クエリは1回。DB側で計算負荷がかかるが、通信は最小限。with(Eager Loading): クエリを分割して発行。- 親データを取る
- 関連する子データを
whereInで取る その後、Laravel(PHP側)でデータを紐付けます。クエリは増えますが、1回がシンプルでコードの可読性が非常に高いのがメリットです。
4. 実務的な使い分けのベストプラクティス
- 基本は Eloquent: 開発スピードと可読性を優先し、リレーション(
with)を活用してN+1問題を回避する。 - 負荷が高い所は クエリビルダ: 数万件規模のデータ取得や、複雑な統計クエリ、メモリ制限が厳しいバッチ処理ではクエリビルダを採用する。
- 加工は Collection: クエリビルダで高速に取得した後、Laravelの
Collectionメソッド(map,filter等)を使って宣言的にデータを加工する。